特定口座 メリット・デメリット

入門特定口座

八重洲新光証券

年間を通じて株式の売却益があった場合には、確定申告により納税する義務がありますが、特定口座の源泉徴収あり口座ならば、確定申告は不要です。

しかし、よく理解しないで確定申告すると、損をすることがあります。また、自営業かサラリーマンか配偶者の有無などにより、同様な確定申告をしても、損得条件が異なります。

たとえば、確定申告不要の「特定口座の源泉徴収あり」口座でも、損益通算や損失の繰越控除のために、確定申告をすることができます。しかし、自営業のように、国民健康加入者は保険料への影響を、サラリーマンの配偶者のある方は、配偶者控除への影響を考慮するなど、かえって、確定申告が複雑になってしまったのが現状です。

「源泉徴収あり」か「源泉徴収なし」のいずれかを選択

特定口座開設有無 特定口座 一般口座
源泉徴収
あり
源泉徴収
なし
特定座開設する -
-
特定口座開設しない - -

平成15年から源泉分離課税が廃止になり、申告分離課税に一本化されました。年間を通じて株式の売却益があった場合には、原則として確定申告により納税する必要があります。そこで、投資家の納税手続きを軽減するために、「特定口座」が導入されました。

証券会社に証券口座を開設するときには、特定口座を開設するかどうかを選択する必要があります。

特定口座には、源泉徴収あり(源泉徴収選択口座)と、源泉徴収なし(簡易申告口座)があり、特定口座開設時には、いずれかを選択しなければなりません。

同一証券会社には、特定口座の源泉徴収ありと、源泉徴収なしのふたつの口座を同時に開設することはできません。しかし、A証券には源泉徴収あり口座、B証券には源泉徴収なし口座、C証券には源泉徴収あり口座のように、証券会社が異なれば、「源泉徴収あり」でも、「源泉徴収なし」でも、複数の特定口座を開設することができます。

特定口座を開設しなければ、自動的に開設される一般口座のみでの取引になります。一般口座で儲けが出たときには、自ら損益計算(取引が多いと損益計算が複雑)をして確定申告しなければなりません。損益計算の手間を考えたら、特定口座を開設して、特定口座で取引してください。

なお、NISA(少額投資非課税制度)では、別途NISA専用の口座を開設する必要があります。NISA口座は、複数の証券会社に口座開設はできず、ひとり1口座しか開くことができません。

「源泉徴収あり」は確定申告不要

「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の大きな違いは確定申告の有無です。

「源泉徴収あり」ならば、確定申告は不要です。譲渡損を繰り越したり(繰越控除)、損益通算する場合などで、確定申告をすることができます。

「源泉徴収あり」で確定申告する時には、すべての特定口座を申告する必要はありません。都合の良い口座だけを申告することができます。

たとえば、「源泉徴収あり」口座をA証券、B証券、C証券に持っていれば、A証券だけ申告、B証券だけ申告、C証券だけ申告、A証券とB証券を申告、A証券とC証券を申告、B証券とC証券を申告のように、自由に特定口座を選んで確定申告することもできます。

「源泉徴収なし」ならば、確定申告をする必要がありますが、証券会社から送付されてくる年間取引報告書を添付して、簡単に確定申告を済ませることができます。しかし、確定申告書の作成は、慣れないと時間がかかり面倒です。

【年間取引報告書】電子交付を選択していると、郵送されない証券会社があります。郵送してもらえるように手続きしてください。確定申告には、年間取引報告書の原本が必要です。

特徴 特定口座 一般口座
源泉徴収あり 源泉徴収なし
確定申告 不要 必要 必要
申告することも可能 給与所得者で、年収2000万円以下かつ、1ヶ所から給与が支払われていて、給与以外の所得合計が20万円以下なら申告不要
売買するたびに証券会社が譲渡損益を計算し、所得税・住民税を源泉徴収または還付 証券会社から送付された年間取引報告書の金額を確定申告書に転記して申告 年間取引報告書は送付されない。自ら譲渡損益を計算して申告。取引が多いと計算が複雑
影響 確定申告をしなければ、国民健康保険料や、配偶者控除等への影響なし 国民健康保険料や、配偶者控除等への影響あり
損益通算 株式譲渡損から出たら、申告分離課税を選択して確定申告すれば、損益通算により配当金や分配金の源泉徴収分が還付される
【NISA口座の損失】損はなかったものとみなされるので、他口座との損益通算はできません

【注意】配当金を配当所得として申告すると、国民健康保険料や配偶者控除等への影響あり

配当金の申告分離課税を選択

2010年からは、株式の譲渡損失と受取配当金を合計する「損益通算」ができるようになり、株式で譲渡損失があった場合には、配当金の申告分離課税を選択すれば、税金を取り戻すことができます。もちろん特定口座の「源泉徴収なし」や一般口座でも、申告分離課税を選択することができます。

特定口座の「源泉徴収あり」ならば、配当金の受け取り方法を「株式配分比例方式」に変更すれば、証券会社の口座で自動的に損益通算されます。譲渡損があれば、年末に配当金の源泉徴収額から、自身の証券口座へ自動的に還付されるので、わざわざ確定申告する必要はありません。

ただし「特別口座」に保有株式があるときは、「株式配分比例方式」に変更できません。すべての特別口座にある株を、特別口座から証券会社の自分の口座に振り替える か、買取請求をして、特別口座の持株を0株にしてください。

【国民健康保険料は旧但し書き方式へ統一】

「損益通算してもなお控除しきれない損失の金額については、翌年以降3年間にわたり、確定申告により株式等に係る譲渡所得に係る譲渡所得等の金額及び上場株式等に係る配当所得の金額から繰越控除することができます」(国税庁の記述を引用)を利用して確定申告すると、国民健康保険料に大きく影響する自治体がありました。

しかし、平成25年度からは、住民税方式と本文方式が廃止されて、旧ただし書き方式に統一されたので、繰越控除後の損益がプラスにならないように確定申告すれば、国民健康保険料への影響はありません。

詳しくは、国民健康保険料の所得割 からどうぞ。

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