簡単倒産チェック

見るのは財務諸表の3箇所

2008年は、近年まれにみる倒産ラッシュの年でした。続く2009年も上場企業の倒産は止まりませんでした。2012年以降は、複数の大手家電メーカーが巨額の赤字決算を出していますが、2013年以降は、上場企業の倒産は少なくなりました。

東証

しかし、無配会社や「継続企業の前提に関する重要事象等」の記載のある企業は、常に上場廃止と隣合せです。新規投資は控えるべきです。

また、大きく下げた株、売上不振企業の株を持っていたら、東証1部上場企業でも安心はできません。企業の安全度は簡単に判断できます。100%ではありませんが、財務諸表の数箇所を見るだけで、簡単に会社の「倒産危険度」を判断できます。チェックポイントは、自己資本比率と、流動資産、流動負債の数値だけです。今すぐ財務諸表をチェックしましょう。

「倒産危険度」は、簡単な計算をするだけなので、5分もかかりません。かつて倒産した企業、直近の決算が悪い企業、「継続企業の前提に関する重要事象等」の記載のある銘柄等の財務諸表を見ながら、倒産危険度を調べてみましょう。

チェックポイント1:自己資本比率

まず、自己資本比率を調べます。自己資本比率は、企業の安全性を判断するも財務分析指標のひとつで、この比率が高いほど企業の安全性が高く、一般的には、50%以上が望ましいと言われています。

少し前のデータですが、通産省の商工業実態基本調査(平成22年度)によると、全産業の製造業平均値は44.3%、非製造業が32.0%、大企業(資本金10億円以上)では35.6%となっています。

ホームページや郵送されてきた事業報告書を準備してください。

今回は、大赤字で資金繰りが大変厳しいシャープ(6753)の財務諸表を見て、倒産危険度を調べてみます。シャープのIRページから、平成25年3月期の第1四半期決算短信(2012/8/2発表)を開いてください。

自己資本比率は、自己資本 ÷ 総資産 × 100 の式で計算しますが、この数値は既に1ページ目に掲載されています。

シャープ

18.7%と非常に低い数値になっています。巨額の赤字を出しているので、早急に自己資本増強策が必要です。資本増強がうまくできないと危険な数値です。


チェックポイント2:流動比率

次に流動比率を計算します。流動比率は、企業の財務の安全性を判断する指標で、資金繰りに問題がないかの判断をします。一般的には150%あれば、当面の資金繰りに問題ないと言われています。この指標でもある程度倒産危険度を判定できます。

流動比率は次の式により計算します。

  • 流動比率 = 流動資産 ÷ 流動負債 × 100

シャープ

    流動資産

    まず資産の部の流動資産の合計額をメモします。流動資産は、1,421,125百万円です。

    現金預金が195,325百万円、受取り手形と売掛金は375,411百万円、その他(短期貸付金、未収金、未収入金、前渡金、前払費用、仮払金、立替金)として327,313百万円があります。

    流動資産は1年以内に現金化できる勘定科目です。

    流動負債

    次に、負債の部の流動負債の合計額をメモします。流動負債は、667,168百万円です。

    流動負債は1年以内に支払期限が到来する勘定科目です。

    これで流動比率を求めることができます。では、流動比率を計算してみます。

    ◆ 流動比率 = 流動資産 ÷ 流動負債 × 100 = 1,421,125 ÷ 1,391,080 ×100 = 102.1%

    となり、どうにか100%をキープしていますが、150%を大きく下回っており、非常に厳しい数値です。

結論

これでシャープの健全度チェックは完了です。簡単ですね。このふたつの指標だけで、財務の安全性がだいたい分かります。シャープは、流動比率も自己資本比率も赤信号点灯中です。シャープへの新規投資は見送りが賢明です。

【緊急】今すぐ保有株の流動比率と自己資本比率を調べてください。そして、危険だとの結論に達したら、早めに保有株を売却してください。